軽井沢木造古民家断熱リノベーションプロジェクト

HANAREYAMA STUDIOができるまで


 プランニング

 

インテリアデザインと間取り


 既存建物は全体的にうす暗く、閉塞感があります。
 和風の印象もとても強いので、その印象を払拭する為、エントランスホールは出来るだけ天井の高い開放的な大空間としました。インテリアの基調となるのは石と木と白い壁。北欧風モダンに仕上がるようなイメージです。
 

 既存建物は各所の窓に障子が取り付き、ほとんど外の景色が見えないような状態です。建物の北側には立派な枝垂れモミジやコケの生えた浅間石積みがされていますが、残念ながら室内から見ることが出来ません。改修プランではエントランスから入ると正面にベニシダレモミジが見え、自然と視線が抜けるような演出を狙います。
 薄暗い座敷スペースとホールにも明るさを届けるため、西側に新たに窓を設けます。同時に夏場の日射対策も考慮し、窓に近い位置に高さ4mほどの落葉樹を新たに植樹します。
落葉樹であれば冬は日射取得が見込め、夏場は日射取得に役立ちます。
 

構造シミュレーション


 現調結果を基に構造ソフトでシミュレーションを実施すると、簡単に倒壊してしまう事がわかりました(画像上)。
 地震に強い建物にするため、段階的に構造補強を加えます。
何度もシミュレーションを繰り返し、倒壊しないレベルまで建物の構造性能を高めます。


断熱計画 床下の湿気対策


 床下の次は屋根裏状況の確認です。雨漏りの有無や構造躯体の劣化状況を確かめます。ホコリとすすで構造躯体が真っ黒になっています。
 昔の建物は構造図がありませんので、天井裏に潜り、構造躯体がどのように掛かっているのかを確認し、構造補強計画を行います。


 

断熱計画 目指す基準


  断熱性能の基準となるのがQ値(UA値)という断熱性能の基準です。
数値が小さくなればなるほど断熱性能が良いとされています。離山スタジオではQ値1.3を目標値としました。
これは日本一寒い北海道陸別町で建つ新築住宅よりも断熱性能が高く暖かい性能値です。